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病院長挨拶

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-「長幼の序」-
〜八代総合病院だより 『すこやか』 2012年秋号 病院長挨拶より〜

 皆さま方のご支援のお陰によりまして、新築事業は愈々終盤を迎えております。全国労働衛生週間の清水建設ポスターには、毎年、建築部門と公共事業部門が1つずつ掲載されるそうですが、本年の建築の代表は当新築事業となり、嬉しいことに、ポスターの上半分にドカンと掲載され、現場のモチベーションもこの上なく更に盛り上がっております。現在、本年12月竣工を目指して、土・日曜日もなく、夜は9時過ぎまで頑張ってもらっています。また、診療面でも、新病院開業に向かって、熊本大学大学院産婦人科 片渕秀隆教授のご高配により、この10月からバリバリの前医局長の宮原陽先生が婦人科部長として着任し、何と8年ぶりに入院・手術が再開されました。早速、素晴らしい手術が行われており、有難いことです。

 

 さてこの度の「山中教授のノーベル医学賞受賞」は、私も米国NIHで死に物狂いで研究をしていた端くれとして本当にウキウキしていますが、世の中はその話で持ちきりなので、そっちはお任せして、今月の産経新聞の「長幼の序を大切に」という題名のコラムにつきまして、ちょっと触れたいと思います。

 

 その筆者はこれまで日本の放送界や経済界のリーダーとして活躍してきた有名人ですが、随分違和感を覚えましたのでその文面をそのまま紹介してみます。曰く「最近、長幼の序という意識は薄れてきたのだろうか。年下のものは年上のものに敬意を払うべきであり、むやみに先を越してはならないという孟子の教えである。日本人の意識の底に横たわる、大事なものであり、常識であったはずだ。」「急激なグローバル化が進んでいるが、変えるべきもの、変えてはいけないものを見極めることが大事である。長幼の序をわきまえることは、日本において万古不易なものだ。これからも、変えてはならないものである。」だそうです。 氏は、「長幼の序」というものが、グローバル化の中で諸外国に悪影響を受けて、日本でも無視されていくとのストーリーで危機をお感じのようですが、とんでもない錯覚だと思います。

 

 わたくしも6年前からこの八代総合病院を預かっており、職員は99%が年下ですが、これまでずーっと小使い扱いなので、そんな都合のいい「長幼の序」を意識させてもらったことは全くありません。ところが実は、最近は、ほんの少し好い目をみさせてもらっています。では、以前と今で何が違うのかを推測してみますと、手前味噌ですが、職員に対して少しは感謝されるようなことが出来ているのかもしれません。先ず、年を取った者が、若い人に「一肌」も「二肌」も脱がなければ、本当の意味の「長幼の序」は存在致しません。或る田舎地方の老令の首長が、人と会う時に必ず相手の年を聞き、年下ならば見境なく自分の方が偉いと言い張る猿社会にも劣る光景は、国際社会は言うに及ばずこの日本社会でも「長幼の序」を全く履き違えており、単なる「恥ずべき自己都合主義」であります。くだんの氏も、似たようなことが言えるのかも知れません。これもまた偏狭な私の憶測ですが、今の社会を牛耳っている所謂「団塊の世代」のお偉いさんはご自分の事にのみ特にご執着であることも影響しているのかもしれません。ところが、本欄で取り上げたことのある私をこの上なく温かく指導して頂いたY先生やM先生もまた、正に「団塊の世代」であり、何でも例外のない法則は有りません。

 

 私が4年間生活したアメリカでは、アメリカ人もヨーロッパ系人も皆、ファーストネームで呼び合います。最初は、私も、年上の教授や政治家や隣のお爺さんをファーストネームで呼び付けて良いんだろうか、「長幼の序」はないんだろうか、と訝しんでおりました。ところが、知らない人には、必ず、ミスターやミセスを付けて失礼のないように気を使っているんです。即ち、親しい人だけファーストネームで呼ぶ訳です。ということは、ファーストネームで呼ばれない人は親しい人ではない訳で、本当に親しい関係なら年齢に拘わらず「フレンド」であり、「You are my friend.」と言われれば、その言葉の裏には尊敬・信頼・仁義などを含蓄し、年齢を超越した快い響きがございます。

 

 それぞれの国に横たわる歴史を知らずに、自分の国の有り様から勝手に判断することは、極めて無知・偏狭で、それでは外交も失敗に終わるでしょう。一方、中国や朝鮮やソ連などの現政府には極めて無理な歴史しか存在しない訳ですから、まともな外交など土台無理な話です。

 

 兎にも角にも、わたくし共は、こつこつと最新高度医療と新病院建設を行い、国家の新しい地方都市の街創りの1つとして少しでもお役に立つように、これからも鋭意努力して参ります。

 

 今後とも、皆様方の倍旧のご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

平成24年11月


 

2012.11

-「長幼の序」-

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2012年秋号 病院長挨拶より〜

 

2012.7

-正しい批判力を持つ国民が一肌ずつ脱いだら-

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2012年夏号 病院長挨拶より〜

 

2012.4

-金太郎飴とガス抜き-

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2012年春号 病院長挨拶より〜

 

2012.1

-成果は1%-

〜八代総合病院だより 『すこやか』 2012年新年号 病院長挨拶より〜