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病院長挨拶

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-日本における石垣の一つたらん-

 この度は、先ずもって、八代総合病院の新築事業の着工が、平成22年9月30日付で、厚労省に認可されたことをご報告申し上げます。

 

 これまでも申し上げて参りましたように、当院は、医師会の先生方、熊本大学医学部教授陣、行政ならびに地域の皆様のご支援によって、八代地域医療の主軸として公に貢献できるようになりました。そこで、老朽化した当院の新築事業をスタートし、1年がかりで、「さらに質の高い医療が実践できる病院、且つ、八代の新しい街創りの中心となる建築」の設計が完了いたしましたので、様々な方面に働きかけて、今か今かと着工の認可を待っておりましたが、上記の通りで、本当にほっと致しております。各方面の皆様方のご支援を心から感謝申し上げる次第でございます。

 

 実は、私は、熊本城主です。10年程前に熊本城主となりました。とはいえ、単なる1口城主です。熊本城築城400年改修事業のため、住民に寄付を募るための素晴らしい熊本市のアイデアと思いましたので、真っ先に「一肌脱ぎ」ました。当時は、1口城主も少なかったこともあり、一時期、冗談で、名刺に「熊本城主」と入れ、特に、県外の人に差し出すと目を丸くされましたが、「なーに、1口城主です。熊本城に何万あるか知らないその石垣に挟まっている小石のひとつです。でも間違いなく熊本城を支えています。」と言いますと、大受けです。年賀状に「熊本城主殿」と書いてくる粋な人もいました。今やその1口城主というアイデアが好評で、何億円もの寄付が熊本城築城400年改修事業のために集まっていると聞いています。そして、本丸御殿を中心とした400年改修事業は成功裏に終わり、さらにぞくぞくと寄付は集まっていると聞いています。本当に素晴らしいことです。

 

 私の1口城主は、正に、石垣に挟まっている小石のひとつですが、わたくし共の八代総合病院は、日本の医療における重要な石垣の一つになると自負しております。何故ならば、当院は、ほんの4年前までは熊本県で最も危機的病院でありましたが、「職員自身がかかりたい病院にする」「公に一肌脱ぐ」を合言葉に、「質の高い医療」と「患者さんを癒す医療」を全職員が一丸となって努力・実践したことによって、あっという間に全国社会保険病院のトップクラスの医療と経営を行えるようになり、上記の通り、すでに、極めて高度な地域医療を行える「新病院建設」の着工を果たしたからでございます。

 

 また、表題に「日本の医療における石垣」と書かずに、単に「日本における石垣」と書きましたが、それには理由があります。前述の通り、当院の建築は、質の高い医療の実践を目的とするのみならず「八代の新しい街創りの中心となる建物」であり、日本の地方の町を美しく変えていくことも視野に入れているからでございます。

 

 ヨーロッパや私が暮らしたワシントンDCは、本当に街並みがきれいです。そして、美しい街並みに住んでいる人々は、必ず、自分の街にプライドを持ち、「他人に一肌脱ぐ心」が自然と根付いています。そして、さらに重要なことは、そのプライドや「他人に一肌脱ぐ心」は、子孫に継承され、脈々と生き続けているということです。ところが、戦後の日本の街はどこもアバタのようです。自分が生きている間だけ良ければ良いという刹那主義は、人間の心を不毛にし、私利私欲に走らせ、日本人にプライドや「他人に一肌脱ぐ心」を育みません。このような日本では、元気が出る筈もなく、外交、特に中国に毅然とした態度を取れる訳もありません。今こそ、このような不況の時代だからこそ、じっくりと将来に向けたワクワクする質の高い街創りが極めて重要と考えます。

 

 本当に、病院新築事業はこれからがスタートでございます。また、継続して、質の高い医療の向上にも努めて参ります。

 今年度とも、皆様方の倍旧のご指導とご支援を何卒よろしくお願い申し上げます。

 

平成22年10月