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病院長挨拶

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− 「一流」 は 「感動」 −
〜八代総合病院だより 『すこやか』 2009年夏号 病院長挨拶より〜

 最近は医療事情が更に厳しく、自治体病院や社会保険病院などの公的病院は赤字病院が80%以上になりました。わたくし共の八代総合病院は、医師会の先生方、熊本大学医学部教授陣、行政ならびに地域の皆様のご支援のお陰で、全職員が生き生きと医療のプロとして努力させて頂いております。そして、いつも皆様方のご支援に感謝申し上げております。

 

 教育と医療は国の基盤である筈なのに、「姑息的な日本の政治」に振り回されています。一生懸命に努力している公的病院が赤字になってしまうということやお金がなければ良い教育が受けられないことは、医療費・教育費削減政策という日本の悪政の結果に他なりません。医療や教育にお金を使わなければ、我々の子孫に良い未来はなく、国は必ず滅びます。また、「教育と医療は国の基盤」ですから、医療と教育に携わる人は、その道のプロである必要があります。

 

 私は、大体、音楽を知りません。アメリカのワシントンにいた頃、八代から母親が一世一代の旅行をしに来るというので、女房が、アメリカで最も評判のミュージカルをやっていたケネディセンターの「オペラ座の怪人」の予約をしました。しかし、何ヶ月も前から、予約で埋まっていて、立ち見席しかありません。私は、ミュージカルなんて興味がないし、立ち見席なら尚更行かない、と主張しましたが、強制的に連行されてしまいました。そして、あほらしいなと思いながら、開演前にワインをかっ食らって入場しました。ところが、サラ・ブライトマンのこの世のものとは思えない歌声に、不覚にも涙し、数時間立っているのも忘れていました。母親もこの上なく感動し、満員の聴衆の拍手は鳴り止みませんでした。

 

 私は、大体、ゴルフが下手です。ところが、ワシントン近郊で毎週土曜日やっていると、それなりに出来ます。日本に帰る前、思いがけず、ABC放送の人気番組「プロをやっつけろ」にたまたま出演し、優勝してしまいました。その賞品が、その当時、4大トーナメントで優勝したグレッグ・ノーマン、トム・カイト、フレッド・カプルズ、ペイン・スチュアートの4天才選手によるスキンズ・ゲームの晩さん会付き招待券でした。場所は、世界的に有名なカリフォルニアのパーム・スプリングゴルフ場。ワシントンからロサンゼルスへ行き、一泊しました。その時、何と、でかでかの「オペラ座の怪人」の看板が劇場に。直ぐに予約し、今度は指定席が取れました。夜になり、期待を込めて、またワインを飲んで、ゆっくり指定席で、「オペラ座の怪人」を観賞しました。ところが、不思議や不思議、舞台装置の豪華さもケネディセンターとまったく同じなのに、何の感動もありません。配役が違っていたのです。サラ・ブライトマンもいません。ロサンゼルスですから、二流ということは決してありませんが、出演者でこんなに天と地ほども違うとは、と考えさせられました。そして、自分も一流にならなければ患者さんをこんな目に合わせてしまうことになる、と奮い立ち、ワシントンに帰り、ゴルフを止めました。

 

 最近、当院外科から、がんの腹膜播種再発阻止に関する論文を、世界で最も権威のある外科雑誌「Annals of Surgery」に出しましたら、高い評価を得、来る8月号に掲載されることになりました。日本全国の大学医学部からもパスすることは困難なジャーナルに掲載されることは、まさに、八代総合病院の名誉であり、当院が世界レベルの医療を、一流の心意気で実践することを日々努力していることを世に示すものであります。

 

 今後、皆様方の倍旧のご指導とご支援を得ながら、益々、「職員自身がかかりたい文化溢れる一流の八代総合病院」になって参りますので、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

平成21年7月